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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻5号

2018年05月発行

文献概要

増刊号 早期胃癌2018 主題

─早期胃癌のスクリーニングのコツとピットフォール─経鼻内視鏡検査

著者: 川田和昭1 仲松宏1

所属機関: 1静岡赤十字病院経鼻内視鏡センター

ページ範囲:P.574 - P.585

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要旨●最新型経鼻内視鏡システムにはレーザー光源が搭載され,その画質は通常径内視鏡に匹敵するとまで評価されている.経鼻内視鏡が持つシャフトの柔軟性,小さな曲率半径といった特性を生かした観察を行えば,早期胃癌の診断にも役立つと考えられる.さらに画像強調観察も可能であり,早期胃癌の診断だけではなく,胃癌の原因とされているH. pylori菌感染胃炎の診断支援にもなることが期待されている.最新型経鼻内視鏡は,上部消化管スクリーニング検査において,問題ないスペックを有する機種世代に到達しており,今後は対策型胃がん検診においても必要不可欠な存在になるものと考える.

参考文献

1)国立がん研究センターがん予防・検診研究センター.有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン,2014年度版.2015
2)川田和昭,村上隼夫.静岡市胃がん内視鏡検診の現状と課題.日消がん検診誌 54:242-247, 2016
3)宮脇哲丸,野瀬道宏.手技の解説─経鼻的上部消化管内視鏡検査:フジノン東芝社製スコープによる検査.臨消内科 19:277-282, 2004
4)川田和昭,広川雅彦,吾川弘之.ガスコン水150mlを用いた経鼻内視鏡検査─レンズ面の洗浄力を補うための工夫.Gastroenterol Endosc 51:1586-1587, 2009
5)川田和昭.上部消化管内視鏡スクリーニングの標準的な撮影部位:画像と撮影のコツ,見落としやすい部位,客観的評価可能な画像とは? 1)経鼻.日本消化器内視鏡学会(監).上部消化管内視鏡スクリーニングマニュアル.医学図書出版,pp 65-73, 2017
6)川田和昭,仲松宏.経鼻内視鏡によるHelicobacter pylori感染診断─機種による違いを含めて.Helicobacter Res 19:571-577, 2015
7)International Agency for Research on Cancer Working Group on the evaluation of Carcinogenic Risks to Humans. Helicobacter pylori. In Schistosomes, Liver Flukes, and Helicobacter pylori. IARC, Lyon, pp 177-240, 1994
8)IARC Working Group. Helicobacter pylori Eradication as a Strategy for Preventing Gastric Cancer, IARC Working Reports, vol. 8. IARC, Lyon, 2014
9)春間賢(監).胃炎の京都分類,日本メディカルセンター,2014
10)川田和昭.ピロリ菌偶然除菌の診断におけるレーザー経鼻内視鏡の有用性.第23回日本ヘリコバクター学会学術集会抄録集,p111, 2017
11)川田和昭,小林秀昭,吾川弘之,他.経鼻内視鏡スクリーニングの実態と問題点─人間ドックの立場から.胃と腸 47:917-926, 2012
12)古田隆久,加藤元嗣,伊藤透,他.消化器内視鏡関連の偶発症に関する第6回全国調査報告.2008年〜2012年までの5年間.Gastroenterol Endosc 58:1466-1491, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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