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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻5号

2018年05月発行

文献概要

増刊号 早期胃癌2018 主題

─早期胃癌の診断の基本─通常内視鏡診断

著者: 大原秀一1 近藤譲1 斉藤晃弘1 半田朋子1 玉渕泰史1 清水貴文1 斉藤紘樹1 大原祐樹1 武田瑶平1 濱田史朗1 白木学1 小島康弘1 岩間憲行2 中山文恵2

所属機関: 1東北労災病院胃腸内科 2東北労災病院病理診断科

ページ範囲:P.597 - P.610

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要旨●現在消化管の内視鏡診断には,種々の画像強調内視鏡(IEE)が用いられるようになってきた.しかし,内視鏡検査実施施設の状況などにより,すべての内視鏡検査がこれらの先進技術を使った検査というわけにはいかず,多くの検査では従来の通常光による観察,診断が行われており,通常観察による診断を基本とすべきである.通常観察により得られる情報は,色調,形(凹凸など含む),粘膜模様の3つ程度と考えられ,これらの得られる情報を用いて範囲診断,深達度診断を行う.胃癌の範囲診断には,色調差,粘膜萎縮などの粘膜模様の変化に加え,比較的手軽に施行可能なAIM(acetic acid-indigo carmine mixture)が有効な例もある.深達度診断は,病変表層の観察のみで癌深部の状況を診断するため,難しい症例も少なからず経験されるが,表面の凹凸,辺縁隆起などに加え,動的観察による伸展不良なども参考にすべきである.

参考文献

1)赤松泰次.発赤・褪色.胃と腸 52:582, 2017
2)Kawahara Y, Takenaka R, Okada H, et al. Novel chromoendoscopic method using an acetic acid-indigocarmine mixture for diagnostic accuracy in delineating the margin of early gastric cancers. Dig Endosc 21:14-19, 2009
3)河原祥朗,岡田裕之,山本和秀.早期胃癌に対する酢酸加インジゴカルミン混合液(AIM)を用いた画像強調内視鏡(image enhanced endoscopy:IEE)の有用性と限界.消化管の臨 18:31-33, 2013
4)貝瀬満,岩切勝彦.実臨床ですぐに使える画像強調観察(解説/特集).消内視鏡 29:1234-1243, 2017
5)田邉寛,岩下明德,原岡誠司,他.病理学的にみた早期胃癌に対するESD切除成績と範囲診断困難例の特徴─一括完全切除例と分割切除例の対比を含めて.胃と腸 41:53-66, 2006
6)吉永繁高,後藤田卓志,小田一郎.他.早期胃癌の画像診断─範囲診断のための精密検査:通常内視鏡検査.胃と腸 44:650-662, 2009
7)松浦倫子,飯石浩康,上堂文也,他.早期胃癌の深達度診断─通常内視鏡診断.胃と腸 50:603-615, 2015
8)佐藤俊,長南明道,三島利之,他.内視鏡による深達度診断のコツと診断困難な早期胃癌─症例を中心に.胃と腸 49:65-75, 2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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