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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻7号

2018年06月発行

文献概要

今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変 主題

知っておきたい炎症性腸疾患の直腸肛門病変

著者: 太田章比古1 宮田美智也1 福原政作1 家田純郎1 家田浩男1 近藤哲2

所属機関: 1家田病院肛門科 2三重大学医学部消化管外科

ページ範囲:P.953 - P.966

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要旨●炎症性腸疾患(IBD)に合併する直腸肛門病変はその特徴的形態から疾患の診断に有用である.またQOLに大きな影響を及ぼすことも多く,その診断治療は,IBDを扱ううえで重要である.Crohn病(CD)に伴う肛門病変の治療は,一次病変はCD病変そのもののため内科治療を,二次病変は外科治療(切開,seton法など)の後,内科治療の強化を行う.潰瘍性大腸炎(UC)に合併する肛門病変では通常の肛門治療を行う.近年CD肛門病変の癌化例が増加しているが,予後が極めて悪いものの,有効なサーベイランス法が確立されていない.肛門部は容易に観察できる消化管で,診察法に慣れれば内科医でも簡単に診察できる.まず,肛門を見ることに慣れ,症状,形態の変化に早めに気づくことが重要である.

参考文献

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8)杉田昭,小金井一隆,山崎安信,他.Crohn病に合併した直腸肛門病変の手術.手術 54:775-785, 2000
9)杉田昭,小金井一隆,辰巳健志,他.Crohn病に合併した消化管悪性腫瘍.胃と腸 47:1537-1544, 2012
10)二見喜太郎,東大二郎,永川祐二,他.Crohn病発癌症例の診断・治療・予後.消外 36:97-105, 2013
11)堀尾勇規,池内浩基,坂東俊宏,他.痔瘻癌.成人病と生活習慣病 46:1600-1604, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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