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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻7号

2018年06月発行

文献概要

今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変 症例アトラス 腫瘍性疾患

肛門管類基底細胞癌

著者: 本間祐子1 山名哲郎1 阿部佳子2 佐原力三郎1

所属機関: 1JCHO東京山手メディカルセンター大腸肛門病センター 2JCHO東京山手メディカルセンター病理診断科

ページ範囲:P.986 - P.987

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疾患の概念
 肛門管類基底細胞癌は,本邦では肛門管悪性腫瘍の組織型の一つに分類され,欧米では扁平上皮癌の亜型として分類される.肛門の移行帯上皮から発生し,基底細胞に類似した比較的小型の細胞が特徴的な配列を示しながら粘膜下主体に増殖する傾向を有する.肛門管悪性腫瘍の中で1.6%とまれであり1),中高年の女性に多い(平均64.8歳)2).病因としてoncogenic typeのHPV(human papilloma virus)16型,18型の関与が指摘されている.臨床症状は腫瘤・出血・疼痛を主訴とすることが多く,診断は肛門鏡や内視鏡所見による肉眼所見と生検による病理組織診断で行う.治療は扁平上皮癌に準じて行われ,放射線化学療法が選択されることが多い2)

参考文献

1)鮫島伸一.肛門部上皮性悪性腫瘍と悪性黒色腫の診断・治療について─外科の立場から.日本大腸肛門病会誌 61:987-993, 2008
2)松田圭二,安達実樹,小平進,他.直腸肛門部の巨大basaloid carcinomaの1例.胃と腸 38:1326-1331, 2003
3)Graham RP, Arnold CA, Naini BV, et al. Basaloid squamous cell carcinoma of the anus revisited. Am J Surg Pathol 40:354-360, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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