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文献概要
今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変 症例アトラス 腫瘍性疾患
悪性黒色腫─内視鏡的に黒色調を呈さないamelanotic病変
著者: 山﨑明12 斎藤彰一1 高松学3 河内洋3 西川雄祐1 堀江義政1 安江千尋1 山本安則1 井出大資1 千野晶子1 五十嵐正広1
所属機関: 1がん研有明病院消化器内科 2熊本大学大学院生命科学研究部消化器内科学分野 3がん研有明病院病理部
ページ範囲:P.1000 - P.1003
文献購入ページに移動直腸肛門部に発生する悪性黒色腫は,直腸肛門移行部の上皮基底層に存在するメラノサイト由来と考えられている1).消化管原発の悪性黒色腫はまれであるが,直腸肛門部は食道と並び好発部位とされ,本邦における頻度は全悪性黒色腫の4.6%2),直腸肛門部悪性腫瘍の0.38%3)と報告されている.直腸肛門部悪性黒色腫の平均生存期間は8〜25か月,5年生存率は4.6〜15%と報告されており,予後不良な疾患である4).色調はメラニン色素を反映した黒色調を呈するものが多いが,肉眼的に黒色調を呈さない低色素性あるいは無色素性のamelanotic病変が6.6〜26.4%と報告されており2)3)5),診断が困難な場合がある.
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