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今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変 症例アトラス 腫瘍性疾患
直腸良性リンパ濾胞性ポリープ
著者: 迎美幸1 小林清典2 松本育宏1 川岸加奈1 横山薫1 佐田美和1 小泉和三郎1
所属機関: 1北里大学医学部消化器内科学 2北里大学医学部新世紀医療開発センター
ページ範囲:P.1008 - P.1009
文献購入ページに移動直腸の良性リンパ濾胞性ポリープ(benign lymphoid polyp;BLP)は,粘膜下層の正常リンパ濾胞の限局性過形成に伴う,粘膜下腫瘍様隆起とされる.リンパ濾胞が過形成を来す原因は,何らかの慢性刺激による反応性の変化とする説が有力である1).組織学的には,粘膜から粘膜下層の胚中心を有するリンパ濾胞から成り,粘膜上皮は萎縮し固有腺管の消失やびらんを認める.
本邦では,rectal tonsil,benign lymphoma,pseudolymphomaなどとも呼ばれる.BLPは,欧米では数多く報告されているが,本邦での報告は比較的少ない.中高年の女性に多く,血便を契機に発見されることが多いが,無症状の場合も少なくない2)3).
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