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今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変 症例アトラス 腫瘍性疾患
直腸平滑筋腫─カルチノイドと鑑別を要する小病変
著者: 小林広幸1 遠藤伸悟1 藤見寛子1 清森亮祐1 大石篤美1 原裕一1 恒吉正澄2
所属機関: 1福岡山王病院消化器内科 2福岡山王病院病理診断科
ページ範囲:P.1010 - P.1012
文献購入ページに移動消化管の平滑筋腫は筋原性の良性腫瘍であり,以前は消化管筋層から発生する腫瘍のほとんどは平滑筋腫と考えられていたが,病理診断に電子顕微鏡が導入されるようになり筋層由来の腫瘍の多くが平滑筋細胞としての特徴像を有しないことが明らかとなった.その後,消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor;GIST)という概念とc-kit染色診断の確立により,従来の平滑筋腫の多くはGISTであることが判明した1).今日では真の平滑筋腫は広義の消化管間葉系腫瘍の10〜15%を占めるとされている2).消化管では食道に好発し,大腸はまれであり,発生部位としては直腸〜S状結腸に多い3).
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