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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻7号

2018年06月発行

文献概要

今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変 症例アトラス 腫瘍性疾患

肛門腺囊胞

著者: 小林広幸1 平田敬治2 遠藤伸悟1 藤見寛子1 清森亮祐1 大石篤美1 原裕一1 恒吉正澄3

所属機関: 1福岡山王病院消化器内科 2産業医科大学第一外科 3福岡山王病院病理診断科

ページ範囲:P.1014 - P.1015

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疾患の概念
 肛門部囊胞は肛門部に発生する囊胞性疾患であり,肛門部手術における頻度は0.06%1),肛門科専門外来で遭遇する頻度は0.02%とされるまれな疾患である2).肛門部に発生する囊胞性疾患のうち,粘液の貯留した囊胞内腔に肛門腺組織が認められるものが,肛門腺由来の病変で肛門腺囊胞(anal gland cyst;AGC)と考えられている.AGCは極めて緩徐に発育する弾性軟・無痛性の貯留性囊胞で,単発・単房性の病変が多い3)

参考文献

1)小澤広太郎,金井忠男,栗原浩幸,他.肛門部囊胞6例の臨床病理学的検討.日本大腸肛門病会誌 59:124-129, 2006
2)菊田信一,須田和義,長昌秀年.Anal gland cyst(AGC).日本臨床(別冊):消化管症候群(第2版)下,pp 802-804, 2009
3)Kulaylat MN, Doeer RJ, Neuwirth M, et al. Anal Duct/Gland Cyst-Report of a Case and Review of the Literature. Dis Colon Rectum 41:103-110, 1998
4)斎藤彰一,池上雅博,田尻久雄.肛門腺囊胞.斉藤裕輔,田中信治,渡邉聡明(編).大腸疾患診断のStrategy.日本メディカルセンター,p 76, 2010
5)小林広幸,蔵原晃一,渕上忠彦,他.まれな大腸良性腫瘍・腫瘍様病変のX線・内視鏡診断.胃と腸 52:761-775, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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