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今月の主題 知っておきたい直腸肛門部病変 症例アトラス 腫瘍性疾患
GIST
著者: 板場壮一1 西嶋健一1 安部周壱1 田中俊行1 槇原康亮2 伊原栄吉3
所属機関: 1九州労災病院消化器内科 2九州労災病院病理診断科 3九州大学大学院病態制御内科学
ページ範囲:P.1016 - P.1017
文献購入ページに移動消化管に発生する,主に紡錘形細胞から成る間葉系腫瘍GIMT(gastrointestinal mesenchymal tumor)は,平滑筋性腫瘍,神経性腫瘍,およびGIST(gastrointestinal stromal tumor)にほぼ分類される.GISTは消化管のペースメーカー細胞であるCajal介在細胞(interstitial cells of Cajal;ICC)より発生すると考えられている1).GISTの確定診断には,免疫染色を含めた病理組織学的評価が必要である.免疫染色では,c-kitのGISTでの陽性率は80〜95%,CD34は食道,大腸GISTでの陽性率が95%と報告されている.最近DOG1(discovered on GIST)が免疫染色においてGIST診断に有用であり,感度,特異度がc-kitを上回っているとの報告もある2).
消化管GISTの発生部位は,胃60〜70%,小腸25〜35%,結腸ならびに直腸(ほとんどは直腸)は5%程度と海外から報告されており3),直腸GISTは消化管GISTの中でもまれである.最近の本邦からの報告でも,直腸GISTの全消化管GISTに対する割合は3.6%であり,海外と同様の発生頻度であった4).
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