文献詳細
今月の主題 対策型胃内視鏡検診の現状と問題点
序説
文献概要
胃がん検診の歴史
戦後,わが国では,結核の死亡率が急速に低下し,高度経済成長とともに脳血管疾患,心疾患と悪性新生物の死亡率の増加が顕著となり(Fig.1)1),国を挙げてのがん対策が必要となった.部位別にみると,胃癌は罹患率,死亡率共に極めて高率であったため(Fig.2)2),救命可能な早期胃癌での発見,診断がわが国の悲願となり,先駆者たちはX線機器や内視鏡機器の開発・改良に力を注ぎ,世界に冠たる胃癌診断学と治療法を築いてきた.
戦後,わが国では,結核の死亡率が急速に低下し,高度経済成長とともに脳血管疾患,心疾患と悪性新生物の死亡率の増加が顕著となり(Fig.1)1),国を挙げてのがん対策が必要となった.部位別にみると,胃癌は罹患率,死亡率共に極めて高率であったため(Fig.2)2),救命可能な早期胃癌での発見,診断がわが国の悲願となり,先駆者たちはX線機器や内視鏡機器の開発・改良に力を注ぎ,世界に冠たる胃癌診断学と治療法を築いてきた.
参考文献
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