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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻8号

2018年07月発行

文献概要

今月の主題 対策型胃内視鏡検診の現状と問題点 主題

対策型胃内視鏡検診の精度管理と安全対策

著者: 渋谷大助1 加藤勝章1 千葉隆士1 島田剛延1

所属機関: 1宮城県対がん協会がん検診センター

ページ範囲:P.1081 - P.1088

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要旨●胃内視鏡検診の精度管理で重要なのは,専門医による内視鏡画像のダブルチェックである.それによって偽陰性率が低下し,生検率(要精検率)も低下する.内視鏡検診で重要な偶発症は鎮静薬の使用による呼吸抑制と生検による出血である.不必要な生検を避けることは,要精検率の低下だけではなく偶発症の減少にもつながる.頻度の高い偶発症に対するマニュアルを各施設で作成すべきであり,重篤な偶発症が発生した場合は自治体や胃内視鏡検診運営委員会(仮称)への報告が必要である.内視鏡機器の洗浄・消毒はE. H. Spauldingの分類に従い,自動洗浄消毒装置や超音波洗浄装置などを用いた十分な洗浄とすすぎ,高水準消毒薬を使用した消毒・滅菌,乾燥とその後の適切な衛生管理が必要である.

参考文献

1)久道茂.がん検診の条件.がん検診判断学.東北大学出版会,pp 4-5,2009
2)大野健次,高畠一郎,西村元一,他.多施設胃内視鏡検診における金沢市方式(3次レフリー読影)の検討─ダブルチェックの精度管理について.日消がん検診誌 52:715-721, 2014
3)原田直彦,平川克哉,北川晋二.福岡市胃がん内視鏡個別検診の現状.日消がん検診誌 53:801-809, 2015
4)猪股芳文,加藤勝章,島田剛延,他.偽陰性率から見た内視鏡検査の精度管理の問題点および対策についての検討.日消がん検診誌 47:542-551, 2009
5)日本消化器がん検診学会 対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル作成委員会(編).対策型検診のための胃内視鏡検診マニュアル.南江堂,2017
6)赤松泰次,石原立,佐藤公,他 ; 日本消化器内視鏡学会.消化器内視鏡の感染制御に関するマルチソサエティ実践ガイド.Gastroenterol Endosc 56:89-107, 2014
7)古田隆久,加藤元嗣,伊藤透,他.消化器内視鏡関連の偶発症に関する第6回全国調査報告─2008年より2012年までの5年間.Gastroenterol Endosc 58:1446-1491, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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