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文献詳細

雑誌文献

胃と腸53巻9号

2018年08月発行

文献概要

今月の主題 消化管画像の成り立ちを知る 主題

消化管陥凹性病変のマクロ画像の成り立ち

著者: 海崎泰治1

所属機関: 1福井県立病院病理診断科

ページ範囲:P.1201 - P.1209

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要旨●消化管の陥凹を来す疾患について,マクロ画像の成り立ちを概説した.消化管の陥凹病変には,粘膜欠損(潰瘍)によるものと粘膜の菲薄化によるものがある.陥凹病変の成り立ちを理解するには,陥凹・潰瘍面の表面構造,陥凹境界,辺縁粘膜像の所見を把握することが重要である.マクロ画像に反映する病理組織学的所見は,病変の発育様式,発育速度,硬さ,時相,背景組織との関係性などの組み合わせにより成り立っている.陥凹病変は隆起性病変とは異なり,病変の厚みにより所見が隠されることは少ないため,病変および背景の成り立ちがマクロ所見に明確に再現される.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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