文献詳細
文献概要
今月の主題 大腸腫瘍の病理診断の課題と将来展望 特集
症例診断の解説とまとめ
著者: 八尾隆史1
所属機関: 1順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学
ページ範囲:P.1509 - P.1526
文献購入ページに移動はじめに
過去の本誌において,1992年に「早期大腸癌の病理組織診断基準—その差はどこにあるのか」,1998年に「早期大腸癌の組織診断基準—諸問題は解決されたか」が特集された.1992年に比較して1998年では癌診断率の差がはるかに小さくなったが,依然として差はみられていた1).
それから約20年経過し本邦の消化管専門病理医が世代交代した今,通常型の大腸腫瘍に加え,過去には取り上げられていない鋸歯状病変や潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)関連腫瘍の診断者間による病理診断の違いの有無についての現状把握と今後の診断基準の統一・確立の必要性が生じ,「大腸腫瘍の病理診断の課題と将来展望」という特集が組まれた.
なお,今回は27症例のHE組織標本のバーチャルスライドを消化管専門病理医15名に事前配布し,診断結果をもとに座談会では分子生物学的解析や免疫組織化学染色の結果を併せて,診断基準について討論した.
過去の本誌において,1992年に「早期大腸癌の病理組織診断基準—その差はどこにあるのか」,1998年に「早期大腸癌の組織診断基準—諸問題は解決されたか」が特集された.1992年に比較して1998年では癌診断率の差がはるかに小さくなったが,依然として差はみられていた1).
それから約20年経過し本邦の消化管専門病理医が世代交代した今,通常型の大腸腫瘍に加え,過去には取り上げられていない鋸歯状病変や潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)関連腫瘍の診断者間による病理診断の違いの有無についての現状把握と今後の診断基準の統一・確立の必要性が生じ,「大腸腫瘍の病理診断の課題と将来展望」という特集が組まれた.
なお,今回は27症例のHE組織標本のバーチャルスライドを消化管専門病理医15名に事前配布し,診断結果をもとに座談会では分子生物学的解析や免疫組織化学染色の結果を併せて,診断基準について討論した.
参考文献
1)渡辺英伸,味岡洋一,風間伸介.早期大腸癌の組織診断基準—諸問題は解決されたか:特集のまとめ.胃と腸 33:1477-1488, 1998
2)Koga Y, Yao T, Hirahashi M, et al. Flat adenoma-carcinoma sequence with high-malignancy potential as demonstrated by CD10 and beta-catenin expression:a different pathway from the polypoid adenoma-carcinoma sequence. Histopathology 52:569-577, 2008
3)Iwase T, Kushima R, Mukaisho K, et al. Overexpression of CD10 and reduced MUC2 expression correlate with the development and progression of colorectal neoplasms. Pathol Res Pract 201:83-91, 2005
4)Hashimoto T, Tanaka Y, Ogawa R, et al. Superficially serrated adenoma:a proposal for a novel subtype of colorectal serrated lesion. Mod Pathol 31:1588-1598, 2018
掲載誌情報