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文献詳細

雑誌文献

胃と腸54巻12号

2019年11月発行

文献概要

今月の主題 上部消化管感染症—最近の話題を含めて 症例アトラス 感染性食道炎

ヘルペス食道炎

著者: 田中一平1 平澤大1 松田知己1 中堀昌人1 奥薗徹1 鈴木憲次郎1 阿部洋子1 田中由佳里1 五十嵐公洋1 名和田義高1 海野修平1 長南明道2

所属機関: 1仙台厚生病院消化器内科 2仙石病院内科

ページ範囲:P.1601 - P.1604

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疾患の概念と最近の動向
1.疾患の概念
 ヘルペス食道炎は三叉神経節の神経細胞に潜伏感染しているヘルペスウイルス(herpes simplex virus;HSV)が再活性化し,唾液中に排泄されることで食道粘膜に感染し発症するとされている.化学療法中や臓器移植後,HIV(human immunodeficiency virus)感染症などの免疫抑制状態の患者に多いが,基礎疾患のない健康成人にも発症することがある1)
 症状は発熱や胸やけ,嚥下痛,吐気などが報告されている.口腔内病変を伴う場合は咽頭痛もみられる.ただし臨床症状に乏しい症例もあり,検診の上部消化管内視鏡検査(esophagogastroduodenoscopy;EGD)で発見されることもある.

参考文献

1)金政秀俊,宮川昌巳,仁丹利行,他.健常成人に発症したヘルペス食道炎の1例.胃と腸 39:1436-1437, 2004
2)厚生労働省エイズ動向委員会.平成29(2017)年エイズ発生動向—概要.2018
3)国立がん研究センターがん情報サービス.がん登録・統計.https://ganjoho.jp/reg_stat/
4)Agha FP, Lee HH, Nostrant TT. Herpetic esophagitis:a diagnostic challenge in immunocompromised patients. Am J Gastroenterol 81:246-253, 1986
5)Nash G, Ross JS. Herpetic esophagitis. A common cause of esophageal ulceration. Hum Pathol 5:339-345, 1974
6)根本哲生.食道—正常と炎症性疾患.胃と腸 49:1906-1913, 2011
7)二村聡,山田梢,中村守.感染性食道炎の病理形態学的特徴—127例の病理学的検討結果から.胃と腸 46:1167-1177, 2011
8)平井郁仁,岸昌廣,佐藤祐邦,他:Crohn病の食道病変—その合併頻度,臨床像,内視鏡所見について.胃と腸 46:1233-1245, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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