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文献概要
今月の主題 上部消化管感染症—最近の話題を含めて 症例アトラス 感染性食道炎
ヘルペス食道炎
著者: 田中一平1 平澤大1 松田知己1 中堀昌人1 奥薗徹1 鈴木憲次郎1 阿部洋子1 田中由佳里1 五十嵐公洋1 名和田義高1 海野修平1 長南明道2
所属機関: 1仙台厚生病院消化器内科 2仙石病院内科
ページ範囲:P.1601 - P.1604
文献購入ページに移動1.疾患の概念
ヘルペス食道炎は三叉神経節の神経細胞に潜伏感染しているヘルペスウイルス(herpes simplex virus;HSV)が再活性化し,唾液中に排泄されることで食道粘膜に感染し発症するとされている.化学療法中や臓器移植後,HIV(human immunodeficiency virus)感染症などの免疫抑制状態の患者に多いが,基礎疾患のない健康成人にも発症することがある1).
症状は発熱や胸やけ,嚥下痛,吐気などが報告されている.口腔内病変を伴う場合は咽頭痛もみられる.ただし臨床症状に乏しい症例もあり,検診の上部消化管内視鏡検査(esophagogastroduodenoscopy;EGD)で発見されることもある.
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