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文献詳細

雑誌文献

胃と腸54巻3号

2019年03月発行

文献概要

今月の主題 咽頭・食道内視鏡拡大観察の基本と最新知見 主題

食道扁平上皮癌の拡大内視鏡診断—JES Type B2のバリエーションとその解釈

著者: 平澤大1 田中一平1 前田有紀1 松田知己1 中堀昌人1 鈴木憲次郎1 五十嵐公洋1 名和田義高1 海野修平1 井上薪1 伊藤聡司1 荒川典之1 友兼正太郎1 齋藤宏章1 長南明道1

所属機関: 1仙台厚生病院消化器内科

ページ範囲:P.343 - P.351

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要旨●食道扁平上皮癌のJES Type B2を“非ループ状の血管を3本以上認めた領域”と定義するとJES Type B2の頻度は32.9%で,正診率は72.4%であった.JES Type B2がT1a-MM/T1b-SM1の指標とすると,PPVは24.0%と低かった.JES Type B2をB2-AVA,B2-Inflammation,B2-Narrow,B2-Broadと亜分類すると,B2-BroadのみがT1a-MM以深の指標として有用で,この場合の正診率は91.4%,PPVは70.6%まで改善した.JES Type B2にはバリエーションが存在し,AVAを構成する血管(B2-AVA)や炎症を示唆する血管(B2-Inflammation)は深達度診断に寄与せず,それ以外のJES Type B2(B2-Narrow/B2-Broad)は領域の大きさが癌深達度に関連している可能性が示唆された.

参考文献

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2)Oyama T, Inoue H, Arima M, et al. Prediction of the invasion depth of superficial squamous cell carcinoma based on microvessel morphology:magnifying endoscopic classification of the Japan Esophageal Society. Esophagus 14:105-112, 2017
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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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