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文献詳細

雑誌文献

胃と腸54巻4号

2019年04月発行

文献概要

今月の主題 知っておきたい小腸疾患 主題

小腸の非腫瘍性疾患—小腸リンパ管拡張症

著者: 中村正直1 山村健史2 前田啓子2 澤田つな騎2 水谷泰之1 丹羽慶樹1 石川恵里1 大塚裕之1 鈴木悠土1 西川貴広1 石田哲也1 久野剛史1 服部峻1 山田啓策1 廣岡芳樹2 藤城光弘1

所属機関: 1名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学 2名古屋大学医学部附属病院光学医療診療部

ページ範囲:P.532 - P.536

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要旨●小腸リンパ管拡張症は小腸リンパ管の狭窄・閉塞もしくはリンパ管内圧の上昇に伴い粘膜,粘膜下層のリンパ管が拡張し,蛋白質や脂肪などが末梢のリンパ管から腸管内腔へ漏出する蛋白漏出性胃腸症の代表的疾患である.リンパ管拡張とそれに伴った臨床的な障害を認めた際に診断に至る.蛋白漏出性胃腸症を来しているかの診断も重要である.小腸内視鏡検査において,①粘膜所見が白色絨毛,散布性白点を有する白色絨毛群と,②異常なし,もしくは軽度絨毛腫大を認める非白色絨毛群の2つのタイプに分けられ,それらは治療の反応性が異なり非白色絨毛群で効果が高い傾向がある.治療は,栄養療法が中心であり,根本的で著効する治療法は現在まで認めない.薬剤療法が一部有効である.予後では経過中の日和見感染に注意が必要である.

参考文献

1)山本博徳,緒方晴彦,松本主之,他.小腸内視鏡診療ガイドライン.Gastroenterol Endosc 12:2685-2720, 2015
2)Ohmiya N, Nakamura M, Yamamura T, et al. Classification of intestinal lymphangiectasia with protein-losing enteropathy:white villi type and non-white villi type. Digestion 90:155-166, 2014
3)Takenaka H, Ohmiya N, Hirooka Y, et al. Endoscopic and imaging findings in protein-losing enteropathy. J Clin Gastroenterol 46:575-580, 2012
4)金城福則,金城渚,仲本学,他.Whipple病・糞線虫症.胃と腸 43:643-650, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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