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増刊号 消化管疾患の分類2019—使い方,使われ方 咽頭・食道 食道胃接合部
食道胃接合部癌の分類〔Classifications of Esophago-gastric Junctional Cancer〕
著者: 村上大輔1 原田英明1 天野祐二2
所属機関: 1新東京病院消化器内科 2新東京病院内視鏡センター
ページ範囲:P.606 - P.608
文献購入ページに移動1.食道胃接合部(EGJ)
食道胃接合部(esophago-gastric junction ; EGJ)の定義は,食道癌および胃癌取扱い規約において次の4つの条件,①内視鏡検査における食道下部の柵状血管の下端,②上部消化管造影検査におけるHis角を胃壁に沿って延長した線,③内視鏡および上部消化管造影検査における胃大彎の縦走ひだの口側終末部,④切除標本の肉眼所見での周径の変わる部位,となっている.
したがって,胃噴門腺,食道噴門腺,食道固有腺,Barrett食道に由来するEGJ領域の癌は,このEGJ線を基準にして胃癌と食道癌に分類される.しかしながら,臨床的にEGJを確実に同定することは必ずしも容易ではない1).EGJ領域の癌が増加する中,発癌を含む病態解明あるいは疫学調査を行うにあたっては,簡便で有用な定義および分類が必要となる.本稿ではEGJ癌の代表的な2つの分類法について解説する.
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