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文献詳細

雑誌文献

胃と腸54巻6号

2019年05月発行

今月の主題 隆起型早期大腸癌の病態と診断

ノート

PG type隆起型大腸T1癌のSM浸潤距離測定の実際

著者: 味岡洋一1 杉野英明1 近藤修平1 田口貴博1 岩田真弥12

所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野 2新潟県勤労者医療協会下越病院消化器科

ページ範囲:P.933 - P.937

文献概要

要旨●PG type隆起型大腸T1癌では,粘膜筋板の走行推定ができない病変や粘膜筋板消失例でもSM浸潤距離測定部位に粘膜内病変が残存するものが多く,その厚さは平均で1,200〜1,300μm前後と推定された.したがって,現行のSM浸潤距離測定法を用いた場合,SM浸潤距離にはこれら粘膜内病変の厚さが加算されている可能性がある.PG type大腸T1癌の辺縁部には,大部分で丈の高い粘膜内病変が残存していたことから,正確なSM浸潤度判定を行うためには,臨床画像検査では病変辺縁部の所見に注目し,PG typeかどうかを鑑別することが有用と考えられる.

参考文献

1)大腸癌研究会(編).大腸癌治療ガイドライン医師用2019年版,金原出版,2019
2)味岡洋一,渡辺英伸.病理形態面からみた大腸癌の発育進展の考え方と問題点.胃と腸 38:1083-1087, 2003
3)Ikegami M. A pathological study on colorectal cancer. From de novo carcinoma to advanced carcinoma. Acta Pathol Jpn 37:21-37, 1987
4)味岡洋一,渡辺英伸,小林正明,他.大腸sm癌の細分類(浸潤度分類)とその問題点.胃と腸 29:1117-1125, 1994
5)味岡洋一,渡辺英伸,横山純二,他.sm癌診断における粘膜筋板の判定方法—癌のsm浸潤に伴う粘膜筋板の変化と大腸sm癌の浸潤度判定.早期大腸癌 4:145-154, 2000
6)大腸癌研究会(編).大腸癌取扱い規約,第9版.金原出版,2018
7)味岡洋一,田中信治.大腸SM癌内視鏡的切除標本のSM浸潤度判定の実際と問題点—大腸癌研究会プロジェクト研究から.胃と腸 42:1501-1510, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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