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文献詳細

雑誌文献

胃と腸54巻7号

2019年06月発行

今月の主題 A型胃炎—最新の知見

ノート

胃がんリスク層別化検診におけるA型胃炎

著者: 寺尾秀一1 北代隼1 織田大介1 大西孝典1 平田祐一1 孝橋道敬1 當銘成友1 田村勇1 宮地英行1 鈴木志保1 西澤明彦1 山城研三1 岡部純弘1

所属機関: 1加古川中央市民病院消化器内科

ページ範囲:P.1042 - P.1045

文献概要

要旨●胃がんリスク層別化検診(ABC検診)のD群からは高率にA型胃炎(AIG)が発見された(6/24).しかし,2016年のABC検診の改訂基準ではH. pylori抗体価の陰性カットオフ値は3U/ml未満に変更されたため,今後はAIGの多くがC・D群に属することが想定される.いずれにしても,AIGはPGIおよびPGI/II比が著しく低値であるという特性を理解しておくことが,発見契機のうえでも重要となる.また,D群として発見されたAIG例を提示しながら,本邦でのAIG共同研究の結果から得られた内視鏡診断の留意点を紹介した.

参考文献

1)寺尾秀一,當銘成友,久禮泉,他.D群のほとんどは,「高度の萎縮とI.M.のためにH. pyloriが駆逐された」群ではない.日ヘリコバクター会誌 14:5-14, 2013
2)井上和彦.胃がんリスク層別化検査の提案.Gastro-Health Now 2016. 9. 15増刊号:1-3, 2016
3)寺尾秀一.D群とは何か? 三木一正(編).胃炎をどうする?—ABC胃がんリスク層別化で,内視鏡で,X線で,第2版.日本医事新報社,pp 28-33, 2017
4)古田隆久,山出美穂子,魚谷貴洋,他.自己免疫性胃炎の臨床上の問題点—ペプシノゲンの特徴,内視鏡所見,H. pylori除菌との関連.日ヘリコバクター会誌 19:106-109, 2018
5)Venerito M, Varbanova M, Röhl FW. Oxyntic gastric atrophy in Helicobacter pylori gastritis is distinct from autoimmune gastritis. J Clin Pathol 69:677-685, 2016
6)Terao S, Furuta T, Kamada T, et al. Autoimmune gastritis in Japan:a study of 200 patients at multicenter study. Gastroenterol 152:S948, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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