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文献詳細

雑誌文献

胃と腸54巻7号

2019年06月発行

文献概要

今月の主題 A型胃炎—最新の知見 ノート

内視鏡検診におけるA型胃炎

著者: 青木利佳1 安田貢1 春藤譲治2 春間賢3

所属機関: 1とくしま未来健康づくり機構徳島県総合健診センター 2春藤内科胃腸科 3川崎医科大学総合医療センター総合内科2

ページ範囲:P.1046 - P.1052

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要旨●本邦ではA型胃炎は極めてまれな疾患とされてきたが,近年H. pylori未感染者や除菌後の受診者が増加しているためか,検診の場においてA型胃炎を疑う症例が増加している.当センターの一次内視鏡検診におけるA型胃炎は,2,591例中23例(0.89%)で,男性は1,168例中7例(0.60%),女性は1,423例中16例(1.12%)であった.しかし,A型胃炎の真の頻度はさらに高い可能性がある.今後は,A型胃炎の発症初期を含めた診断基準の確立,H. pylori感染との関連性の解明などが必要である.だが,何よりも内視鏡検診医自身が,本疾患を検診で拾い上げることの意義を理解し,特徴的な内視鏡所見を熟知しておくことが最も重要である.

参考文献

1)寺尾秀一,當銘正友,久禮泉,他.D群のほとんどは,「高度の萎縮とI.M.のためにH. pyloriが駆逐された」群ではない.日ヘリコバクター会誌 14:5-14, 2013
2)今村祐志.A型胃炎(自己免疫性胃炎)の診断.Gastroenterol Endosc 60:1444-1449, 2018
3)青木利佳,春藤譲治,春間賢.日本におけるA型胃炎の頻度と特徴.Gastroenterol Endosc 59(Suppl 1):881, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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