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文献詳細

雑誌文献

胃と腸54巻9号

2019年08月発行

文献概要

今月の主題 消化管X線造影検査のすべて—撮影手技の実際と読影のポイント 主題

胃X線造影—胃がんX線検診における基準撮影法と読影の基準

著者: 吉田諭史1 數納有紀1 杉野吉則1 中村祐二朗2 井上詠1 柏木和弘1 清野隆史1 別所理恵子1 岩男泰1

所属機関: 1慶應義塾大学病院予防医療センター 2慶應義塾大学病院放射線科消化管造影室

ページ範囲:P.1203 - P.1214

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要旨●胃がんX線検診の標的病変は胃癌である.その拾い上げの精度向上をはかるための撮影法,すなわち撮影手順と撮影体位を基準化した基準撮影法が,今,全国に普及しつつある.その基準像の一つである腹臥位二重造影正面位像(頭低位)の画質をさらに改善するには,当センターで検討した“両肩当て・左向き手技”が役立つように思われた.一方,検診精度は読影能にも左右される.しかし,読影判定のための枠組みあるいはルールといったものは今のところ見当たらないようである.良性悪性判定の基本的な所見として馬場らが発表した肉眼的異型度理論は胃癌のX線診断の指針であり,胃がんX線検診の良性悪性判定の指針でもある.

参考文献

1)熊倉賢二.図譜による胃X線診断学,金原出版,1968
2)日本消化器がん検診精度管理評価機構.胃がんX線検診—新しい基準撮影法マニュアルテキスト第1版.2009
3)日本消化器がん検診学会,胃がん検診精度管理委員会(編).新・胃X線撮影法ガイドライン改訂版.医学書院,2011
4)木村俊雄,吉田諭史,馬場保昌.胃がん検診における直接X線検査の基準化.日消がん検診誌 46:177-188,2008
5)馬場保昌,吉田諭史.発見例100例にみる胃癌X線診断の究極.ベクトル・コア,2016
6)馬場保昌(編),佐藤清二,富樫聖子,坂東孝一,他.馬場塾の最新胃X線検査法.医学書院,2001
7)熊倉賢二.二重造影法の手ほどき—とくに仰臥位二重造影法について.胃と腸 4:915-920, 1969
8)熊倉賢二,丸山雅一,染矢内記.胃前壁のうつし方.胃と腸 3:873-881, 1968
9)西俣寛人,政信太郎,西俣嘉人,他.噴門部陥凹型早期胃癌の見つけ出し診断—X線診断の立場から.胃と腸 24:33-43, 1989
10)富松久信,馬場保昌,清水宏,他.噴門部早期胃癌の内視鏡および臨床病理学的検討.Gastroenterol Endosc 35:33-43, 1993
11)岡部治弥,広内一孝,吉田隆亮,他.二重造影の技術,診断上の利点および弱点について.胃と腸 1:25-34, 1966
12)熊倉賢二,杉野吉則,馬場保昌.胃X線診断学—検査編.金原出版,1992
13)馬場保昌,杉山憲義,丸山雅一,他.陥凹性早期胃癌のX線所見と病変組織所見の比較.胃と腸 10:37-49, 1975
14)中村恭一:胃癌の構造,第3版.医学書院,2005
15)市川平三郎,吉田祐司.胃X線診断の考え方と進め方.医学書院,1986
16)中原慶太(編).これなら見逃さない! 胃X線読影法虎の巻.羊土社,2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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