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文献詳細

雑誌文献

胃と腸55巻11号

2020年10月発行

文献概要

今月の主題 小腸腫瘍アトラス 症例アトラス

腺腫

著者: 松野高久1 斎藤彰一1 河内洋2

所属機関: 1がん研究会有明病院消化器内科 2がん研究会有明病院臨床病理センター病理部

ページ範囲:P.1402 - P.1403

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疾患の概念
 腺腫性病変は腺細胞の腫瘍性増生による良性疾患であり,良性小腸腫瘍の約20%を占めると報告されている1).大腸では腺腫は癌と比較して多くみられるが,小腸では腺腫・癌のいずれも頻度が低いため,腺腫由来(adenoma carcinoma sequence)の癌は少ないと考えられ,APC(adenomatous polyposis coli)遺伝子変異は10〜18%2)と大腸に比べ低頻度である.
 症状は無症状が多いが,腺腫が大きくなると消化管出血や腸重積,腸閉塞を引き起こす可能性もある.

参考文献

1)Honda W, Ohmiya N, Hirooka Y, et al. Enteroscopic and radiologic diagnoses, treatment, and prognoses of small-bowel tumors. Gastrointest Endosc 76:344-354, 2012
2)Aparicio T, Zaanan A, Mary F, et al. Small bowel adenocarcinoma. Gastroenterol Clin North Am 45:447-457, 2016
3)小原圭,後藤秀実.小腸腺腫.八尾恒良(監),「胃と腸」編集委員会(編).胃と腸アトラスII,下部消化管,第2版.医学書院,p 455,2014

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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