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文献詳細

雑誌文献

胃と腸55巻12号

2020年11月発行

文献概要

今月の主題 高齢者早期胃癌ESDの現状と問題点 主題研究

高齢早期胃癌患者に対するESD新規適応規準設定に向けて—「早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剝離術の高齢者適応に関する第III相単群検証的試験(JCOG1902)」

著者: 関口正宇12 小田一郎1 森田信司3 片井均4

所属機関: 1国立がん研究センター中央病院内視鏡科 2国立がん研究センター中央病院検診センター 3獨協医科大学第一外科 4国立がん研究センター中央病院胃外科

ページ範囲:P.1517 - P.1523

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要旨●高齢患者においても,現行ガイドラインの内視鏡治療絶対適応・適応拡大規準を満たさない早期胃癌に対する標準治療は外科的胃切除であるが,偶発症やQOL低下,手術を完遂できてもそのベネフィットを享受できないまま他病死しうるといった問題を伴う.そのため,高齢早期胃癌患者に対するESD新規適応規準を作成する意義は大きい.そこで,高齢者ESD新規適応規準案を作成し,その妥当性を検証する,多施設共同臨床試験(JCOG1902)を開始した.本試験で,ESDを行う試験治療の,標準治療(手術)に対する非劣性が証明されれば,新規適応規準を満たす早期胃癌を有する高齢患者に,ESDを最初に行う治療オプションが生まれることになる.

参考文献

1)国立がん研究センターがん情報サービス.がん登録・統計.https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/index.html
2)日本胃癌学会(編).胃癌治療ガイドライン,第5版.金原出版,2018
3)小野裕之,八尾建史,藤城光弘,他.胃癌に対するESD/EMRガイドライン,第2版.Gastroenterol Endosc 62:273-290, 2020
4)Watanabe M, Miyata H, Gotoh M, et al. Total gastrectomy risk model:data from 20,011 Japanese patients in a nationwide internet-based database. Ann Surg 260:1034-1039, 2014
5)Kurita N, Miyata H, Gotoh M, et al. Risk model for distal gastrectomy when treating gastric cancer on the basis of data from 33,917 Japanese patients collected using a nationwide web-based data entry system. Ann Surg 262:295-303, 2015
6)Nunobe S, Oda I, Ishikawa T, et al. Surgical outcomes of elderly patients with stage I gastric cancer from the nationwide registry of the Japanese Gastric Cancer Association. Gastric Cancer 23:328-338, 2020
7)関口正宇,小田一郎,森田信司,他.早期胃癌の治療と予後—高齢早期胃癌患者に対する治療の現状と今後の展望.胃と腸 53:720-725, 2018
8)Sekiguchi M, Oda I, Taniguchi H, et al. Risk stratification and predictive risk-scoring model for lymph node metastasis in early gastric cancer. J Gastroenterol 51:961-970, 2016

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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