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今月の主題 大腸鋸歯状病変の新展開 座談会
大腸鋸歯状病変に対する臨床現場での実情
著者: 山野泰穂1 田中信治2 菅井有3 松下弘雄4 斎藤彰一5 三澤将史6 堀田欣一7 竹内洋司8 佐野寧9 永田信二10 河野弘志11
所属機関: 1札幌医科大学医学部消化器内科学講座 2広島大学大学院医系科学研究科内視鏡医学 3岩手医科大学医学部病理診断学講座 4秋田赤十字病院消化器病センター 5がん研究会有明病院下部消化管内科 6昭和大学横浜市北部病院消化器センター 7静岡県立静岡がんセンター内視鏡科 8大阪国際がんセンター消化管内科 9薫風会佐野病院消化器センター 10広島市立安佐市民病院内視鏡内科 11聖マリア病院消化器内科
ページ範囲:P.1648 - P.1669
文献購入ページに移動山野 本号は「大腸鋸歯状病変の新展開」ということで,本誌ではしばしば鋸歯状病変に関して特集されていますが,大腸鋸歯状病変,さらにはSSA/P(sessile serrated adenoma/polyp)に関しては概ね市民権を得ており,多くの内視鏡医が知っている病変であると思います.SSA/PはMSI(microsatellite instability)陽性大腸癌の前駆病変であろうと分子生物学的にも解析が進んでおり,adenoma-carcinoma sequence,de novo pathwayに次ぐ第三の発癌ルートserrated neoplastic pathwayとしてmalignant potentialも高いのではと考えられています.
一方,実臨床では鋸歯状病変,特にSSA/Pは本当に悪性度が高いのかという疑問があります.これまで長い間,SSA/Pは過形成性ポリープと見分けがつかず,非腫瘍として扱われ放置されてきた歴史,むしろadenomaのほうが前癌病変として問題であると考えられてきた歴史があります.
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