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文献詳細

雑誌文献

胃と腸55巻2号

2020年02月発行

文献概要

今月の主題 潰瘍性大腸炎関連腫瘍—診断・治療の現状と課題 主題

潰瘍性大腸炎関連腫瘍に対する内視鏡治療の適応とピットフォール

著者: 松井啓1 早坂淳之介1 山下聡1 菊池大輔1 岡村喬之1 落合頼業1 鈴木悠悟1 福馬由美子1 光永豊1 團宣博1 田中匡実1 野村浩介1 小田切啓之1 布袋屋修1

所属機関: 1虎の門病院消化器内科

ページ範囲:P.159 - P.166

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要旨●潰瘍性大腸炎関連腫瘍,特にhigh grade dysplasiaやcolorectal cancerに対する標準的な治療は全大腸切除術である.近年,有効な抗炎症薬物治療の増加とともに,サーベイランス内視鏡検査の普及によりdysplasiaや粘膜内癌を内視鏡的に診断することが可能となってきた.当科で“治癒切除”を目的とし,内視鏡的粘膜下層剝離術を施行した潰瘍性大腸炎関連腫瘍の特徴を検討した.水平断端陰性率が低く境界診断が難しいこと,同時多発率が高く見落としやすいことがピットフォールと言える.したがって,周囲生検を行うなど十分に境界診断を検討したhigh grade dysplasiaおよび粘膜内癌で,治療後は4〜6か月ごとの内視鏡検査を行うことが可能な症例が,内視鏡治療の適応と考えた.

参考文献

1)Magro F, Gionchetti P, Eliakim R, et al. Third European evidence-based consensus on diagnosis and management of ulcerative colitis. part 1:definitions, diagnosis, extra-intestinal manifestations, pregnancy, cancer surveillance, surgery, and ileo-anal pouch disorders. J Crohns Colitis 11:649-670, 2017
2)Laine L, Kaltenbach T, Barkun A, et al. SCENIC international consensus statement on surveillance and management of dysplasia in inflammatory bowel disease. Gastrointest Endosc 81:489-501, e26, 2015

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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