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今月の主題 潰瘍性大腸炎関連腫瘍—診断・治療の現状と課題 主題
潰瘍性大腸炎関連腫瘍に対する内視鏡治療—私はこう考える
著者: 浦岡俊夫1 橋本悠1 佐藤圭吾1 關谷真志1 田中寛人1 栗林志行1 増尾貴成2
所属機関: 1群馬大学大学院医学系研究科内科学講座消化器・肝臓内科学 2伊勢崎市民病院内科(消化管)
ページ範囲:P.170 - P.171
文献購入ページに移動潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis ; UC)の長期罹患は癌合併のリスク因子であり,癌合併は患者予後に大きく関わる.UCにおいてはdysplasiaが癌の前駆病変とされ,dysplasia-carcinoma sequenceがUCの発癌経路と考えられていることから1),UCの経過中にdysplasiaをいかに発見し,適切に取り扱うかがUC長期罹患患者の腸管温存を含めた予後において重要である.しかし,dysplasiaの発見は容易ではなく,発見されたdysplasiaの取り扱いには十分なコンセンサスが得られていない.また,そもそも発見された病変のUC関連腫瘍と散発性腫瘍の鑑別が困難なことが多いことや内視鏡的切除の介入の是非など,解決すべき課題は多い.
一方,米国のSCENIC(Surveillance for Colorectal Endoscopic Neoplasia Detection and Management in Inflammatory Bowel Disease Patients-International Consensus statement)やECCO(European Crohn's and Colitis Organisation)のガイドラインでは,発見された境界明瞭な病変,特に隆起性病変に対する内視鏡的切除が推奨されている2)3).
本稿では,UC関連腫瘍に対する内視鏡的切除の現在の立ち位置について,筆者らの考えを述べていきたい.
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