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文献詳細

雑誌文献

胃と腸55巻3号

2020年03月発行

今月の主題 いま知っておきたい食道良性疾患

主題

—食道良性腫瘍および腫瘍様病変の診断—食道乳頭腫

著者: 小澤俊文1 三浦恭資1 白井宏和1 中川貴之1 齊藤雅也1

所属機関: 1総合犬山中央病院消化器内科

ページ範囲:P.260 - P.262

文献概要

疾患の概念
 食道乳頭腫は上皮性の食道良性腫瘍である.臨床的にしばしば遭遇し,悪性化することは極めてまれで病的な意義は薄い.ほとんどが無症状のため内視鏡検査時に偶然発見されることが多い.男女比は2:1と男性に多く,中高年者に多く認められる1).好発部位は食道下部とされ平均径7mmと小さく,頻度は0.07 2)〜0.44%1)と報告されている.逆流性食道炎や裂孔ヘルニアに合併することが多いことから,病因として酸逆流による慢性刺激が考えられている.また,1980年代以降HPV(human papilloma virus)の関与も報告されているが,現在では否定的とされる.

参考文献

1)五味博子,田中輝行,近藤愼太郎,他.食道乳頭腫.別冊日臨 消化管症候群 上,第2版.日本臨牀社,pp 119-121, 2009
2)Kawaura Y. Squamous cell papilloma of the esophagus:report of 17 cases and review of the literature. Esophagus 2:161-164, 2005

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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