文献詳細
今月の主題 いま知っておきたい食道良性疾患
主題
—食道良性腫瘍および腫瘍様病変の診断—化膿性肉芽腫
著者: 丸山保彦1 池谷賢太郎2
所属機関: 1藤枝市立総合病院消化器内科 2浜松南病院消化器内科
ページ範囲:P.270 - P.273
文献概要
PG(pyogenic granuloma)は皮膚や口腔粘膜に好発する易出血性の良性腫瘍で,多くは外傷,慢性刺激,ホルモンの影響などで後天的に発生すると推測されている1).
病理組織学的には血管内皮細胞の腫大を伴う毛細血管の分葉状増生が特徴で,炎症細胞浸潤や間質の浮腫もみられlobular capillary hemangiomaとも呼称される.この点から化膿性肉芽腫という呼称は適切ではないが,現在でも慣習的に用いられている.表層は扁平上皮に覆われ,びらん・潰瘍を伴った部分には炎症性滲出物が付着する.消化管における発生はまれであるが,その中では食道が最も多く,次いで小腸,大腸,胃,十二指腸の順に発生する.
参考文献
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