文献詳細
今月の主題 いま知っておきたい食道良性疾患
主題
—食道良性腫瘍および腫瘍様病変の診断—脂肪腫
著者: 竹内学1 薄田浩幸2
所属機関: 1長岡赤十字病院消化器内科 2長岡赤十字病院病理診断部
ページ範囲:P.274 - P.277
文献概要
食道の腫瘍性病変の多くは食道癌が占めている一方,食道原発の良性腫瘍の頻度は低く,特に食道脂肪腫は消化管脂肪腫において約4%と報告され1),最も低い頻度である.食道良性腫瘍の中では平滑筋腫が最も頻度が高く,脂肪腫は約2%を占めるのみで2)3),まれとされている.
病理組織学的には,主に粘膜下層を主体に成熟した脂肪細胞の増生と少量の血管を含む結合織から成る非上皮性良性腫瘍であるため,肉眼型は表面が平滑な粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT)を呈し,やや黄色調で軟らかいことが特徴とされる.
参考文献
掲載誌情報