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文献概要
今月の主題 いま知っておきたい食道良性疾患 主題
—食道良性腫瘍および腫瘍様病変の診断—食道壁内偽憩室症
著者: 橋本哲1 水野研一1 佐藤裕樹1 高綱将史1 横山純二2 市川寛3 渡邉玄4 味岡洋一5 寺井崇二1
所属機関: 1新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器内科学分野 2新潟大学医歯学総合病院光学医療診療部 3新潟大学大学院医歯学総合研究科消化器・一般外科学分野 4新潟県立がんセンター新潟病院病理診断科 5新潟大学大学院医歯学総合研究科分子・診断病理学分野
ページ範囲:P.295 - P.299
文献購入ページに移動食道壁内偽憩室症は,1960年にMendlら1)によって初めて報告された,粘膜および粘膜下層の食道腺導管が囊状に拡張したまれな疾患である.多発する小さい憩室様の所見を呈するが,通常の仮性憩室とは異なり,固有筋層の外側に伸展することはない.明らかな発症原因は不明であるが,真菌や細菌感染,逆流性食道炎,アルコール多飲などに伴う慢性炎症により,食道腺や導管に炎症が波及し病的拡張を来すと推察されている.
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