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文献詳細

雑誌文献

胃と腸55巻6号

2020年05月発行

今月の主題 スキルス胃癌—病態と診断・治療の最前線

主題症例

逆追跡されたスキルス胃癌の1例

著者: 丸山保彦1 吉井重人1 景岡正信1 大畠昭彦1 寺井智宏1 星野弘典1 山本晃大1 矢野庄悟1 稲垣圭佑1 山田裕1

所属機関: 1藤枝市立総合病院消化器内科

ページ範囲:P.844 - P.852

文献概要

要旨●幽門腺領域から発生し幽門狭窄を来したスキルス胃癌症例を内視鏡的に振り返り,所見の検討を行った.一般にスキルス胃癌の診断は,①粘膜ひだの腫大・蛇行・横走ひだなどの走行異常,②胃壁の肥厚と硬化,③原発巣のびらん・潰瘍形成,の3点が重要である.本症例はひだの所見,伸展不良が出現するまでの経過と原発巣の初期像が捉えられた貴重な症例であった.胃体部のひだの変化は腫大する前の段階で走行異常として指摘することができ,初期病変は通常観察では褪色調の平坦な領域として,色素撒布像でわずかな溝状の微小陥凹として認識できた.

参考文献

1)中村恭一,菅野晴夫,杉山憲義,他.胃硬癌の臨床的ならびに病理組織学的所見.胃と腸 11:1275-1284, 1976
2)丸山保彦,景岡正信,永田健,他.スキルス胃癌の特徴と診断の基本—内視鏡の立場から.胃と腸 45:445-455, 2010
3)中島寛隆,河内洋,榊信廣.スキルス胃癌の内視鏡診断.外科 81:16-21, 2019
4)浜田勉.スキルス胃癌と鑑別を要する形態所見からみて.胃と腸 45:418-421, 2010
5)堀内裕介,藤崎順子,山本智理子,他.早期胃癌の範囲診断—範囲診断困難例とその臨床的対応 未分化型胃癌:印環細胞癌.H. pylori未感染例と現感染例・除菌例の比較.胃と腸 55:42-49, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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