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文献詳細

雑誌文献

胃と腸55巻6号

2020年05月発行

今月の主題 スキルス胃癌—病態と診断・治療の最前線

主題症例

体外式超音波が診断に有用であったスキルス胃癌

著者: 畠二郎1 今村祐志1 眞部紀明1 藤田穣1 松本啓志2 梅垣英次2 塩谷昭子2 秋山隆3 森谷卓也3 春間賢4

所属機関: 1川崎医科大学検査診断学 2川崎医科大学食道胃腸内科 3川崎医科大学病理学 4川崎医科大学総合内科学2

ページ範囲:P.860 - P.865

文献概要

要旨●患者は80歳代,男性.食思不振と体重減少を主訴に受診した.体外式超音波では胃体部から前庭部まで胃全体に層構造が温存された連続性びまん性の壁肥厚と硬化が描出され,特に幽門部に強い内腔の狭小化を伴っていた.上部内視鏡検査においても壁の伸展不良とひだの肥厚がみられたが,計3回の生検はいずれも陰性であった.姑息的胃全摘術が施行され,最終的にスキルス胃癌(por>sig)と診断されたが,超音波像はその病理組織学的所見をよく反映していた.スキルス胃癌のスクリーニングおよび診断において,体外式超音波は有用な補助的診断法となることが示唆された.

参考文献

1)八尾隆史,三浦修,川野豊一,他.胃癌診断における生検診断の現状と問題点.胃と腸 34:1469-1475, 1999
2)阿部慎哉,長南明道,増田高行,他.胃癌診断における内視鏡下生検の現状.胃と腸 34:1477-1484, 1999
3)中村恭一,斎藤洋子.スキルス胃癌の臨床病理.最新医 41:951-959, 1986
4)浜田勉.スキルス胃癌と鑑別を要する形態所見からみて.胃と腸 45:418-421, 2010
5)畠二郎,今村祐志,眞部紀明,他.スキルス胃癌の特徴と診断の基本—体外式超音波の立場から.胃と腸 45:477-484, 2010

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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