文献詳細
今月の主題 一度見たら忘れられない症例
主題
Sessile serrated lesion with dysplasia(SSLD)由来pT1b粘液癌の1例
著者: 永田信二1 鴫田賢次郎2 金子真弓3
所属機関: 1広島市立安佐市民病院消化器内科 2広島市立安佐市民病院内視鏡内科 3広島市立安佐市民病院病理診断科
ページ範囲:P.1175 - P.1178
文献概要
患者は60歳代,女性.
20XX年に定期検査目的で施行した大腸内視鏡検査にて,横行結腸肝彎曲に病変を指摘された.白色光観察では径5mmの隆起性病変に連続して径5mmの扁平隆起性病変を認め,肉眼型は0-Is+IIaと診断した(Fig.1a).NBI(narrow band imaging)拡大観察では隆起部分(Is)の立ち上がりは整なsurface patternとvessel patternを呈していたが,隆起頂上は陥凹しており血管径の太い不整なvessel patternとその周囲のsurface patternは不明瞭であった(Fig.1b,c).インジゴカルミン色素撒布像では,扁平隆起部分(IIa)において粘液付着を認めた(Fig.2a,b).拡大観察では隆起頂上の陥凹は明瞭となり陥凹部分のみ腫瘍性pitを認めたが,その周囲はI〜II型pit patternを認めた(Fig.2c).
以上より鋸歯状病変に異型を伴った病変と診断し,内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection ; EMR)を施行した.
参考文献
掲載誌情報