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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻1号

2021年01月発行

追悼

西元寺 克禮名誉教授—医局員を代表して

著者: 木田光広1

所属機関: 1北里大学医学部消化器内科

ページ範囲:P.124 - P.125

文献概要

 2017年からわが師,西元寺克禮名誉教授は,持病であるROW(Rendu-Osler-Weber)病によると考えられる脳膿瘍,消化管出血を発症していました.その大変な状況をご本人の頑張りと北里大学病院をあげてのサポートによりやっと乗り越えて一時の安泰を得たと思って医局員一同安心しておりました.しかし,2020年に突然の解離性大動脈瘤の発症し,これに対しても北里大学病院をあげて対応しましたが,その甲斐もなく2020年10月7日,解離性大動脈瘤とその合併症で,北里大学病院で永眠されました.最後まで西元寺教授を苦しめたROW病が憎く,悔しくて堪りません.
 西元寺克禮名誉教授は,1943年に福岡県大牟田市で生まれ,地元では神童と呼ばれ,九州大学医学部に入学されました.1968年同医学部を学生運動,医師国家試験拒否運動の最中に卒業され,研修場所にも困ったなどのお話を聞いたことがあります(この辺りの経緯は八尾先生が詳しく書かれると思います).この辺りのお話しになるとわれわれが思い出すのは,西元寺先生が“僕は大学にも行かず,毎日のように飲み歩いていた”というような武勇談を話してくれたことです.しかし,西元寺先生をまず一言で言い現すのは,抜群の記憶力,学習能力です.先生は,一度読めば記憶できると豪語されておりましたが,毎日のように飲み歩いていたにもかかわらず実際優秀な成績で九州大学医学部を卒業されているのですから,その能力が大変優れていたのがおわかりいただけると思います.その後の北里大学消化器内科医局員との昔話でも,医局員が忘れていたようなことを指摘して,われわれをビックリさせることに数限りありませんでした.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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