文献詳細
今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断
序説
文献概要
はじめに—炎症性腸疾患の診断は難しい
炎症性腸疾患〔広義のIBD(inflammatory bowel disease)〕のほとんどは命に関わらない良性疾患であり,また疾患数も格段に多く確定診断が得られないことも多いため,診断はないがしろにされがちである.腫瘍は“診断して切除すればそれで終了”的な側面があるため病態・画像は動かないが,炎症は病気の初期,極期,治癒期,瘢痕期,初発か再発かでその病態・画像は激しく動く.さらには初期像や治療の介入,虚血性変化の合併,手術の影響などにより非典型像を呈し,これらの像が混在して出現することもあるため,その画像は極めて複雑となる.そのため,はなから画像診断を諦め,培養検査や生検診断(を用いた特殊検査や遺伝子検索を含む)による診断に頼る先生方も多いと思われる.
炎症性腸疾患〔広義のIBD(inflammatory bowel disease)〕のほとんどは命に関わらない良性疾患であり,また疾患数も格段に多く確定診断が得られないことも多いため,診断はないがしろにされがちである.腫瘍は“診断して切除すればそれで終了”的な側面があるため病態・画像は動かないが,炎症は病気の初期,極期,治癒期,瘢痕期,初発か再発かでその病態・画像は激しく動く.さらには初期像や治療の介入,虚血性変化の合併,手術の影響などにより非典型像を呈し,これらの像が混在して出現することもあるため,その画像は極めて複雑となる.そのため,はなから画像診断を諦め,培養検査や生検診断(を用いた特殊検査や遺伝子検索を含む)による診断に頼る先生方も多いと思われる.
参考文献
1)白壁彦夫,碓井芳樹,根来孝,他.消化管の二重造影法と病変のとらえ方—変形学による比較診断の展開と効果.胃と腸 21:15-25, 1986
2)渡辺英伸,味岡洋一,太田玉紀,他.炎症性腸疾患の病理学的鑑別診断—大腸病変を中心に.胃と腸 25:659-682, 1990
3)清水誠治,富岡秀夫,石田英和,他.診断困難な炎症性腸疾患の特徴.胃と腸 50:867-876, 2015
4)斉藤裕輔,佐々木貴弘,杉山隆治,他.腸管感染症の診断と治療.胃と腸 53:391-398, 2018
掲載誌情報