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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻12号

2021年11月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断 主題

炎症性腸疾患の鑑別診断—臨床的アプローチ

著者: 清水誠治1 池田京平1 石破博1 小木曽聖1 上島浩一1 横溝千尋1 富岡秀夫1

所属機関: 1大阪鉄道病院消化器内科

ページ範囲:P.1499 - P.1508

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要旨●炎症性腸疾患(広義)の診断では症候,病歴,診察所見,臨床検査,画像検査などの情報を総合する必要がある.疾患それぞれに診断の決め手となる情報があり,多彩な疾患とその多様性に関する知識が不可欠である.疾患を効率よく絞り込み,限られた検査で診断に到達するノウハウを身に付ける必要があるが,同時に判断を行う上でバイアスが生じる危険性について意識することが重要である.根治的な治療法が存在しない特発性炎症性腸疾患(IBD)の患者数は増加する一方であるが,根治可能な疾患をIBDと誤診することは回避しなければならない.

参考文献

1)清水誠治,高島英隆,眞嵜武,他.まれな大腸非腫瘍性疾患のX線・内視鏡診断.胃と腸 52:777-789, 2017
2)清水誠治,富岡秀夫,高島英隆,他.腸炎の診断プロセス.消内視鏡 29:12-19,2017
3)清水誠治.腸疾患診断について考える—診断とは分類を追試し,再構築していく能動的プロセス.医界新聞 275:4, 2007
4)清水誠治,富岡秀夫,小木曽聖,他.Indeterminate colitisとinflammatory bowel disease unclassified.消内視鏡 32:276-281, 2020
5)清水誠治,富岡秀夫,石田英和,他.診断困難な炎症性腸疾患の特徴.胃と腸 50:867-876, 2015
6)Shane AL, Mody RK, Crump JA, et al. 2017 Infectious Diseases Society of America Clinical Practice Guidelines for the Diagnosis and Management of Infectious Diarrhea. Clin Infect Dis 65:e45-80, 2017
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9)清水誠治,横溝千尋,石田哲士,他.炎症性腸疾患の鑑別診断.Gastroenterol Endosc 56:3-14, 2014
10)清水誠治,小木曽聖,富岡秀夫,他.潰瘍性大腸炎,クローン病,過敏性腸症候群と鑑別を要する疾患—腸管感染症を中心に.日本大腸肛門病会誌 71:494-505, 2018
11)清水誠治,小木曽聖,富岡秀夫.腸炎における生検のコツ.消内視鏡 31:233-239, 2019

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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