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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻12号

2021年11月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断 主題

炎症性腸疾患の画像所見と鑑別診断—敷石像,炎症性ポリポーシス,多発隆起

著者: 佐々木貴弘1 上野伸展1 上原恭子1 小林裕1 杉山雄哉1 村上雄紀1 高橋慶太郎1 安藤勝祥1 嘉島伸1 盛一健太郎1 田邊裕貴1 藤谷幹浩1

所属機関: 1旭川医科大学内科学講座病態代謝・消化器・血液腫瘍制御内科学分野

ページ範囲:P.1555 - P.1561

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要旨●潰瘍性大腸炎やCrohn病は炎症性腸疾患と総称され,潰瘍形成と組織再生を慢性的に繰り返すことによって,多彩な内視鏡所見を呈し,診断に苦慮する症例も少なくない.本稿では,敷石像・炎症性ポリポーシス・多発隆起などの特徴的な所見に焦点を当て,炎症性腸疾患の鑑別診断について解説する.敷石像,炎症性ポリポーシス,多発隆起はいずれも背景粘膜の炎症や潰瘍,浮腫により形成される非腫瘍性の変化であり,隆起部分のみにとらわれることなく,背景粘膜の炎症や併存する縦走潰瘍の存在などの腸管全体像を正確に把握することが鑑別診断のポイントとなる.

参考文献

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2)森悠一.大腸炎症性ポリープ・ポリポーシス.別冊日本臨牀領域別症候群シリーズNo.12消化管症候群(第3版)IV,pp 169-171, 2020
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4)江頭由太郎.cobblestone像と炎症性ポリポーシス(cobblestone like appearance, inflammatory polyposis).胃と腸 52:679, 2017
5)松本主之.消化管ポリポーシス総論.別冊日本臨牀領域別症候群シリーズNo.12消化管症候群(第3版)IV,pp 136-139,2020
6)平田敬,蔵原晃一,八板弘樹,他.Cronkhite-Canada症候群.胃と腸 52:806-811, 2017
7)渡辺英伸,味岡洋一,西倉健,他.消化管ポリポーシスの病理.胃と腸 35:293-300, 2000
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9)赤松泰次.cap polyposis.胃と腸 48:1192-1193, 2013
10)清水誠治,木本邦彦,岸本光夫,他.発症初期から典型像形成に至る経過を観察しえたcap polyposisの1例.胃と腸 37:103-108, 2002

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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