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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻12号

2021年11月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断 主題

炎症性腸疾患の画像所見と鑑別診断—狭窄

著者: 蔵原晃一1 河内修司12 川崎啓祐12 大城由美3 浅野光一1 池上幸治1 清森亮祐1 堺勇二14 小林広幸15 鳥巣剛弘2 八尾隆史6 西﨑隆7 松本主之8

所属機関: 1松山赤十字病院胃腸センター 2九州大学大学院医学研究院病態機能内科学 3松山赤十字病院病理診断科 4親愛ステーションクリニック 5福岡山王病院消化器内科 6順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学 7松山赤十字病院外科 8岩手医科大学医学部内科学講座消化器内科消化管分野

ページ範囲:P.1563 - P.1570

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要旨●腸管狭窄合併例に対する内視鏡的アプローチには限界がある.高度の管腔狭窄を合併した炎症性腸疾患症例におけるX線造影検査は,狭窄部を含めた病変の全体像の把握に有用であり,内視鏡検査に対して相補的な意義があるが,加えて管腔変形・狭窄部のX線造影像は内視鏡検査では得られない輪郭線から構成されるため,その解析は鑑別診断にも有用となる.管腔変形・狭窄部のX線造影像を片側性狭窄,輪状狭窄と管状狭窄に分類し,変形・狭窄と腸間膜との位置関係,周囲粘膜の随伴所見を加味して解析することにより,内視鏡検査とは異なる観点からの鑑別診断が可能となる.

参考文献

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掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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