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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻12号

2021年11月発行

文献概要

今月の主題 炎症性腸疾患の鑑別診断 主題

炎症性腸疾患の病変部位と鑑別診断—直腸病変

著者: 佐野弘治1 大川清孝1 上村拓也1 宮野正人1 島田直1 谷川徹也1 山口誓子1 倉井修1 福島裕子2 末包剛久3 平田直人3

所属機関: 1大阪市立十三市民病院消化器内科 2大阪市立十三市民病院病理診断科 3大阪市立総合医療センター消化器内科

ページ範囲:P.1571 - P.1576

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要旨●直腸にはさまざまな病変があり,前処置薬なしで内視鏡観察可能であるが,反転観察しないと全体像が把握できない疾患もある.直腸のみに病変を認める疾患と直腸以外にも病変を認める疾患があり,後者では他部位の病変の性状により診断がつくことがある.直腸病変の診断では,患者背景,臨床症状,存在部位,潰瘍の形態・深さ・辺縁の性状などに注目する.炎症性腸疾患は,特徴的な画像所見があれば診断が容易であるが,慎重な経過観察で診断に至ることもある.確定診断の方法として病理組織検査,便培養などの細菌学的検査,抗原検査,抗体検査などがある.今回,炎症性腸疾患の直腸病変の臨床像,内視鏡像,鑑別疾患について述べる.

参考文献

1)平田一郎.炎症性腸疾患の鑑別診断—感染性腸炎を除く.胃と腸 48:569-581, 2013
2)佐野弘治,大川清孝.サイトメガロウイルス腸炎(潰瘍性大腸炎合併以外).緒方晴彦,松本主之(監).炎症性腸疾患Imaging Atlas—診断の極意と鑑別のポイント.日本メディカルセンター,pp 192-193, 2016
3)松井佐織,吉田晋也,野口千彰,他.最近注目される腸管感染症—クラミジア直腸炎.胃と腸 53:441-445, 2018
4)大川清孝.直腸粘膜脱症候群.大川清孝(著).IBDの総合鑑別力.南江堂,pp 204-209, 2020

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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