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今月の主題 内視鏡医も知っておくべき病理診断リファレンス—下部消化管腫瘍 主題アトラス
虫垂:低異型度虫垂粘液性腫瘍
著者: 二村聡1 田邉寛1 太田敦子2 小野貴大3 大宮俊啓4 渡部雅人4
所属機関: 1福岡大学筑紫病院病理部・病理診断科 2福岡大学筑紫病院臨床検査部 3福岡大学筑紫病院炎症性腸疾患センター 4福岡大学筑紫病院外科
ページ範囲:P.325 - P.327
文献購入ページに移動2019年に公刊された消化器系腫瘍のWHO分類第5版1)には,虫垂粘液性腫瘍について“mucinous neoplasm of the appendix is an appendiceal neoplasm characterized by mucinous epithelial proliferation with extracellular mucin and pushing tumour margins”と定義されている.そして,WHO分類では腫瘍細胞の異型性と腹膜進展部の病理組織像の違いからgradingしており,tumour Grade 1がLAMN(low-grade appendiceal mucinous neoplasm),tumour Grade 2がHAMN(high-grade appendiceal mucinous neoplasm)に該当する.これまで本邦で使用されてきた虫垂粘液囊胞腺腫(mucinous cystadenoma of the appendix)の多くと虫垂粘液囊胞腺癌(mucinous cystadenocarcinoma of the appendix)の一部が,このLAMNに相当すると考えられる2).なお,粘液囊腫(mucocele)は粘液貯留によって内腔が異常に拡張した状態を意味する肉眼観察所見用語であって,病理組織学的な用語ではない.
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