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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021 食道 診断
食道造影:撮影法と拾い上げ診断
著者: 小田丈二1 入口陽介1 細井董三1
所属機関: 1東京都がん検診センター消化器内科
ページ範囲:P.544 - P.545
文献購入ページに移動筆者ら1)は,食道表在癌の拾い上げを目的として,1995年より胃X線集団検診の場に食道癌のhigh risk groupである55歳以上の男性に対し,立位第1斜位での食道二重造影像を1枚を加えた食道・胃同時集検を行ってきた.その結果,対象をhigh risk groupに集約すれば,胃X線集団検診の場に食道検診を導入する意義は大きいと思われた1)〜3).
撮影の実際については,本稿は拾い上げ診断を目的とした撮影法の解説が目的であるため,精密X線検査ではなく,スクリーニング検査時の撮影法3)を述べることとする.対策型検診における撮影は,診療放射線技師が行うことが多い.発泡剤を服用後,立位第1斜位にし,バリウムを大口で飲んでもらい,透視観察しながら中部食道から入口部付近までをタイミングよく二重造影で撮影する.椎体の重なりなどの障害陰影や,心拍動によるブレに注意しながら,良質な二重造影を心がける.場合によっては連続撮影3)も考慮する.人間ドックなど任意型検診の場合には,上部食道や第2斜位での撮影を組み合わせることが多い.
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