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増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021 食道 診断
食道造影:癌の診断および深達度診断
著者: 小野陽一郎1 八尾建史2
所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器内科 2福岡大学筑紫病院内視鏡部
ページ範囲:P.546 - P.547
文献購入ページに移動食道X線造影検査(以下,食道造影)による食道癌の診断は正面像と辺縁像から成り立つ1).すなわち,正面像では縦走ひだの変化(不明瞭化や中断,口径不同)や粘膜面の異常所見(粗糙,不整な陰影斑・透亮像など)に注目し,側面像では辺縁の所見(壁不整,伸展不良など)を参考にして病変を拾い上げる.そして,これらの所見の拡がりや程度によって病変の範囲,深達度を診断する.
食道造影は粘膜面の凹凸を描出する検査法である.ごく軽微な形態変化にとどまるT1a-EP/LPM癌は,病変境界が不明瞭であることや,粘膜面の異常所見,辺縁の所見が乏しいことが多く,食道造影による描出には限界がある.ゆえに,少量〜中等量の空気量(弱伸展像)による縦走ひだの変化を捉えることが必要である(Fig.1).
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