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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻5号

2021年05月発行

文献概要

増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021 食道 診断

食道造影:癌の診断および深達度診断

著者: 小野陽一郎1 八尾建史2

所属機関: 1福岡大学筑紫病院消化器内科 2福岡大学筑紫病院内視鏡部

ページ範囲:P.546 - P.547

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癌の診断
 食道X線造影検査(以下,食道造影)による食道癌の診断は正面像と辺縁像から成り立つ1).すなわち,正面像では縦走ひだの変化(不明瞭化や中断,口径不同)や粘膜面の異常所見(粗糙,不整な陰影斑・透亮像など)に注目し,側面像では辺縁の所見(壁不整,伸展不良など)を参考にして病変を拾い上げる.そして,これらの所見の拡がりや程度によって病変の範囲,深達度を診断する.
 食道造影は粘膜面の凹凸を描出する検査法である.ごく軽微な形態変化にとどまるT1a-EP/LPM癌は,病変境界が不明瞭であることや,粘膜面の異常所見,辺縁の所見が乏しいことが多く,食道造影による描出には限界がある.ゆえに,少量〜中等量の空気量(弱伸展像)による縦走ひだの変化を捉えることが必要である(Fig.1).

参考文献

1)細井董三,岡田利邦,東馨,他.X線検査による精密診断—粘膜癌の読影とそのコツ(1).胃と腸 30:303-310, 1995
2)細井董三,岡田利邦,山田耕三,他.食道癌診断におけるX線検査の有用性—診断の立場から:内視鏡と比較して.胃と腸 38:787-804, 2003
3)高木靖寛,小野陽一郎,平井郁仁,他.食道表在癌の深達度診断—X線診断.胃と腸 46:634-649, 2011

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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