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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻5号

2021年05月発行

文献概要

増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021 食道 診断

EUS

著者: 前田有紀1

所属機関: 1がん・感染症センター都立駒込病院内視鏡科

ページ範囲:P.564 - P.565

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EUS機器の選択
 超音波内視鏡(endoscopic ultrasonography ; EUS)は細径超音波プローブとEUS専用機に大別される(Fig.1).
 細径プローブは内視鏡の鉗子孔から挿入し,病変を直視下に超音波を走査するため,小病変でも的確に描出できる.表在病変の診断には20MHzの高周波プローブが適する.高周波は分解能が良好で表層の詳細な観察に優れる一方,深部減衰が強いため,隆起性病変の深部や壁外の観察は難しい.
 内視鏡と一体になっているEUS専用機は探触子が大きく,広範囲の鮮明な画像を得やすい.専用機の周波数は5〜12MHzで切り替えられ,さまざまな病変を観察できる.ただし,内視鏡と超音波の描出部位がずれるため,凹凸の乏しい小病変は部位の同定が難しい.進行癌や大きな粘膜下腫瘍(submucosal tumor ; SMT),系統的なリンパ節転移診断には専用機が適する.

参考文献

1)木田光広,菊地秀彦,荒木正雄,他.上部消化管超音波内視鏡,超音波内視鏡下穿刺術のコツ.Gastroenterol Endosc 47:2204-2217, 2005
2)山中恒夫.コンセンサスミーティングのプロダクツ1—EUS層構造の解釈.Gastroenterol Endosc 43:1091-1092, 2001
3)有馬美和子,多田正弘.高周波数細径超音波プローブによる食道表在癌の深達度を誤認させる要因と画像の特徴.胃と腸 39:901-913, 2004

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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