文献詳細
文献概要
増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021 食道 治療
異物除去
著者: 五十嵐公洋1
所属機関: 1仙台厚生病院消化器内科
ページ範囲:P.584 - P.584
文献購入ページに移動 食道は生理的狭窄部位を有するため,異物による停滞を来しやすい.また,管腔が狭いためスネアや回収ネットを扱いにくいという問題もある.
鋭利な異物の場合,摘出する際に入口部や咽頭に裂傷を来すリスクがある.小さな異物の場合,先端透明フード内に鋭利な部分を収めるのみで回収できるが,有鈎義歯などのサイズの大きな異物の場合は回収が困難である.指サック1)や手袋2),コンドーム型尿カテーテル3)を内視鏡先端にスカート状に巻きつけて鋭利な部分を被覆して回収する方法が報告されており,有用と思われる.Fig.1のようにいったん胃内に落とし,ネットなどに完全に収納して除去するのも選択肢の一つである.
鋭利な異物の場合,摘出する際に入口部や咽頭に裂傷を来すリスクがある.小さな異物の場合,先端透明フード内に鋭利な部分を収めるのみで回収できるが,有鈎義歯などのサイズの大きな異物の場合は回収が困難である.指サック1)や手袋2),コンドーム型尿カテーテル3)を内視鏡先端にスカート状に巻きつけて鋭利な部分を被覆して回収する方法が報告されており,有用と思われる.Fig.1のようにいったん胃内に落とし,ネットなどに完全に収納して除去するのも選択肢の一つである.
参考文献
1)能村紀子,水田陽平.指嚢を用いたラッパー型フードによる胃内異物(有鈎義歯)摘出の工夫.Gastroenterol Endosc 51:2478-2479, 2009
2)赤松泰次.異物除去—こうすれば上手に摘出できる消化管異物.消内視鏡 24:1459-1460, 2012
3)辻顕介,小澤俊一郎,伊東文生.コンドーム型尿道カテーテルを用い,巨大義歯に対し内視鏡的異物除去に成功した2例.Gastroenterol Endosc 61:2624-2626, 2019
掲載誌情報