icon fsr

文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻5号

2021年05月発行

増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021

胃 診断

胃造影:癌の診断と鑑別診断

著者: 入口陽介1

所属機関: 1東京都がん検診センター消化器内科

ページ範囲:P.598 - P.599

文献概要

胃X線検診における撮影法と読影法
 胃X線検診では,撮影する放射線技師はスクリーニング撮影法1)の特徴を十分に理解し,撮影中にはバリウムの流れに注意を払いながら透視観察を効率的に行う.異常所見に気がついた場合には,読影補助として適切な追加撮影を行い,異常所見の有無を明確にすることが重要である.読影だけでなく撮影においても,胃上部には早期胃癌形態の進行癌の頻度が比較的高いことなどを理解し,H. pylori(Helicobacter pylori)感染状態を考慮して臨む必要がある.読影は,胃全体のバランス,辺縁像,粘膜ひだ像,粘膜像をもとに診断する.異常所見の領域性が認められるかどうかが重要であるが,胃粘膜へのバリウムの付着状態が不良であれば,病変の全体が描出されていない場合があることを念頭に置いて,拾い上げ診断を行うことも見落としを防ぐうえで大切である2)

参考文献

1)日本消化器がん検診学会,胃がん検診精度管理委員会(編).新・胃X線撮影法ガイドライン改訂版(2011年).医学書院,2011
2)細井董三,入口陽介,小田丈二,他(編).症例に学ぶ胃がんX線検診読影講座—診断基準とカテゴリー分類を中心に.医療科学社,2014
3)日本消化器がん検診学会,胃がん検診精度管理委員会,胃X線検診の読影基準に関する研究会(編).胃X線検診のための読影判定区分アトラス.南江堂,2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら