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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻5号

2021年05月発行

文献概要

増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021 胃 診断

色素内視鏡(酢酸法/Congo-red法)

著者: 名和田義高1

所属機関: 1仙台厚生病院消化器内科

ページ範囲:P.607 - P.607

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酢酸法
 円柱上皮に1.5%の酢酸を撒布すると,上皮細胞の細胞質内の蛋白質が可逆的に変化し,半透明であった粘膜が白色化し光を透過しなくなる.白色化の程度は,上皮の種類によって異なり,腸上皮化生は白色化しやすく,早期胃癌などの発赤病変は,やや白色化しにくい1).また,白色化が消失するまでの時間は癌の領域で早く,組織型によっても異なる2)
 白色光観察では,この色調差を利用して早期胃癌の範囲診断に利用することができる.さらにインジゴカルミンを追加撒布することで,癌部は赤,非癌部は青という良好なコントラストが得られることもある.また,酢酸とインジゴカルミンを混合したAIM(acetic acid indigo carmine mixture)法(Fig.1)や,最後に水洗を追加する方法も報告されている2)

参考文献

1)豊田英樹,田中匡介,Jaramillo E,他.酢酸法を用いた内視鏡観察.Gastroenterol Endosc 49:1706-1718, 2007
2)八木一芳,水野研一,中村厚夫,他.酢酸を併用した内視鏡診断.Gastroenterol Endosc 53:1759-1765, 2011
3)上堂文也,平澤龍登,酒井範子,他.腺領域からみた良性病変の診断(胃炎,潰瘍,ポリープ,カルチノイド)—内視鏡的コンゴーレッド法による成績を中心に.胃と腸 32:1581-1589, 1997

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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