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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻5号

2021年05月発行

増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021

胃 治療

ESD絶縁体系(ITknife,ITknife2)

著者: 田邉聡1 和田拓也2

所属機関: 1北里大学医学部新世紀医療開発センター 2北里大学医学部消化器内科学

ページ範囲:P.630 - P.631

文献概要

 早期胃癌に対する内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection ; ESD)が開発されて20年近くになり,その手技も確立され広く普及してきている.絶縁体系の代表であるITknife(オリンパス社製)(Fig.1a)は細川ら1),Onoら2)により開発され,2002年に世界で初めてESDの専用処置具として市販化された.ITknifeの特徴は,針状ナイフの先端にセラミックの絶縁チップを付けることにより,穿孔を防止する構造になっている.先端の絶縁チップの部分を切開面に引っ掛け,針状のブレードで粘膜,あるいは粘膜下層の組織に通電して切開・剝離を行う.特に,ITknifeの改良型であるITknife2(オリンパス社製,Fig.1b)は絶縁チップの裏に放射状のショートブレードが装着されており,従来のITknifeと比較して切開能,止血能が向上した2).そのため,他の先端系の処置具と比較して,切開・剝離速度が速いのが利点である.本稿ではITknife2を用いた胃ESDの基本手技について解説する.

参考文献

1)細川浩一,吉田茂昭.早期胃癌の内視鏡的胃粘膜切除.癌と化療 25:476-483, 1998
2)Ono H, Hasuike N, Inui K, et al. Usefulness of a novel electrosurgical knife, the insulation-tipped diathermic knife-2, for endoscopic submucosal dissection of early gastric cancer. Gastric Cancer 11:47-52, 2008

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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