文献詳細
増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
胃 治療
文献概要
ポリペクトミーは粘膜下に局注を行わず,金属線製の輪(スネア)に通電して,主に有茎性もしくは亜有茎性の隆起性病変を切除する治療手技である.対象となる病変のほとんどは良性であり,胃では過形成性ポリープが最も多い.胃過形成性ポリープの癌化の頻度は平均2.2(0〜9.7)%で,癌化例は15mm以上の大型ポリープで,頭部に分化型粘膜内癌が多いと報告されており1),15mm以上の過形成性ポリープはポリペクトミーの適応と考える.
術前診断では茎部を有するか否かの確認が重要であり,亜有茎性の場合にはより確実な一括完全切除のため,ポリペクトミーではなく内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection ; EMR)が選択されることもある.さらに,使用するスネアの種類・大きさの選択や出血予防処置の必要性,切除標本の回収方法などを想定しておくことが大切である.
術前診断では茎部を有するか否かの確認が重要であり,亜有茎性の場合にはより確実な一括完全切除のため,ポリペクトミーではなく内視鏡的粘膜切除術(endoscopic mucosal resection ; EMR)が選択されることもある.さらに,使用するスネアの種類・大きさの選択や出血予防処置の必要性,切除標本の回収方法などを想定しておくことが大切である.
参考文献
1)大草敏史,堀内洋志,荒川廣志,他.胃ポリープの自然史とmalignant potential—腺窩上皮型過形成性ポリープ.胃と腸 47:1216-1226, 2012
2)藤本一眞,藤城光弘,加藤元嗣,他.抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン.Gastroenterol Endosc 54:2073-2102, 2012
3)古田隆久,加藤元嗣,伊藤透,他.消化器内視鏡関連の偶発症に関する第6回全国調査報告2008年〜2012年までの5年間.Gastroenterol Endosc 58:1466-1491, 2016
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