文献詳細
増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021
胃 治療
文献概要
胃の異物除去を要する病態
2012年4月〜2020年3月までの間に,自身で経験した上部消化管異物除去治療175例の詳細を示す(Table 1).異物の多くは管腔が狭く,生理狭窄部を有する食道に滞留する.胃に到達しえた異物は一般には摘除の必要はないが,①物理的嵌頓のリスクがある,②鋭利で物理的な消化管損傷のリスクがある,③電気化学的な消化管損傷のリスクがある(電池),④有症状のアニサキス症(アナフィラキシーを含む),⑤その他(義歯など心証を踏まえた社会的適応など),の際に治療を要する.しばしば夜間,時間外の緊急手技となるが,内視鏡医には患者本人や小児においては保護者の心理的動揺に配慮しながら真に治療を要する病態か状況判断し,安心を与える所作が求められる.
2012年4月〜2020年3月までの間に,自身で経験した上部消化管異物除去治療175例の詳細を示す(Table 1).異物の多くは管腔が狭く,生理狭窄部を有する食道に滞留する.胃に到達しえた異物は一般には摘除の必要はないが,①物理的嵌頓のリスクがある,②鋭利で物理的な消化管損傷のリスクがある,③電気化学的な消化管損傷のリスクがある(電池),④有症状のアニサキス症(アナフィラキシーを含む),⑤その他(義歯など心証を踏まえた社会的適応など),の際に治療を要する.しばしば夜間,時間外の緊急手技となるが,内視鏡医には患者本人や小児においては保護者の心理的動揺に配慮しながら真に治療を要する病態か状況判断し,安心を与える所作が求められる.
掲載誌情報