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文献詳細

雑誌文献

胃と腸56巻5号

2021年05月発行

文献概要

増刊号 消化管診断・治療手技のすべて2021 大腸 治療

ESD(先端系)

著者: 豊永高史1

所属機関: 1神戸大学医学部附属病院光学医療診療部

ページ範囲:P.762 - P.765

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先端系ナイフの特徴
 大腸は内腔が狭い上に壁が薄く屈曲しているため先端系デバイスが適していると考えられている.先端系にもHookナイフ,TTナイフなど長めのナイフとFlexナイフ,Flushナイフ,B-ナイフ,Dualナイフなど短めのナイフとがある.中でもFlushナイフやDualナイフに代表されるshort needle系は長さや方向の調節が不要で,シース先端で支点を作れることから好まれる傾向にある.また,送水機能の有用性が証明され1),多くのナイフが搭載するようになっている.さらにFlexナイフ,Dualナイフ,FlushナイフBT-S,N-Sはシースを細くすることで吸引・鉗子孔挿通性能を向上させている.
 ナイフの先端形状はさまざまであるが,それぞれナイフ先端でも支点を作ることができるように工夫がされて来ている.形状は,引っかかりや切れ味を重視しているか,止血能・放電性能をより重視しているか2),によって違いがある.切開性能に関してはモードの調節でいくらでも対応可能であるが,後者についてはデバイスの形・大きさに依存する.また,適度に滑りのある先端形状の応用力の高さから,筆者はFlushナイフBT-Sを主に使用している.ball tip B-knifeと相似形であるが,B-knifeは先端から放電しないことを意図しており,操作法は異なる.

参考文献

1)Takeuchi Y, Uedo N, Ishihara R, et al. Efficacy of an endo-knife with a water-jet function(Flushknife)for endoscopic submucosal dissection of superficial colorectal neoplasms. Am J Gastroenterol 105:314-322, 2010
2)Toyonaga T, Man-I M, Fujita T, et al. The performance of a novel ball-tipped Flush knife for endoscopic submucosal dissection:a case-control study. Aliment Pharmacol Ther 32:908-915, 2010
3)Toyonaga T, Tanaka S, Man-I M, et al. Clinical significance of the muscle-retracting sign during colorectal endoscopic submucosal dissection. Endosc Int Open 3:E246-251, 2015
4)Toyonaga T, Ohara Y, Baba S, et al. Per anal endoscopic myectomy(PAEM)for rectal lesions with severe fibrosis and exhibiting the muscle-retracting sign. Endoscopy 49:813-817, 2018
5)Ishida T, Toyonaga T, Ohara Y, et al. Efficacy of forced coagulation with low high-frequency power setting during endoscopic submucosal dissection. World J Gastroenterol 23:5422-5430, 2017

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1219

印刷版ISSN:0536-2180

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